「オレは…」


でも、慎太郎くんがわたしのことを好きだったというのは、…あれは嘘なんだよね?


「オレは、2人が幸せならそれでいいから」

「え〜、なにそれ〜。慎太郎くん、カッコつけすぎだよ〜」


駄々をこねる子どものように体を左右に振る虹斗くんを見て、慎太郎くんは思わず苦笑い。


「でも…」


ふとつぶやく慎太郎くん。


「もし昴がアリスちゃんを泣かせるようなことがあれば、そのときは全力で奪いにいくから」


“奪う”というのは、――わたしのこと?

それも…なにかの冗談?


キョトンとするわたし。


すると、体を抱き寄せられた。

わたしを抱き寄せたのは、もちろんそばにいた昴くん。


「ありすを泣かせたら、な。絶対にそんなことはしないから」


そう言って、昴くんは2人の前で誓ってくれた。