初めて見るにしては、どこか懐かしいような――。


「ありす、好きだよ」


昴くんがわたしをそっと抱き寄せて、耳元でささやく。

すると、その耳が瞬時に熱くなるのがわかった。


「…わっ、わたしも…好きだよ!」

「もしかしてありす、こんなことで緊張してる?」

「そ、それは…」

「たくさん名前で呼んでほしいって言ったのは、ありすだろ?これじゃあ、身が持たないかもな」


…それを言われると、返す言葉が見つからない。

『ありす』と呼ばれてうれしいのに、まだ慣れなくて…ずっとドキドキしっぱなし。


「どんなことがあったって、絶対に俺が守る。だって俺は、ありすのボディガード兼彼氏なんだから」


昴くんはわたしを引き寄せると、たくましいその腕でぎゅっと抱きしめてくれた。

わたしも昴くんの背中に腕を伸ばすと、精一杯に昴くんを抱きしめた。