「え…?」

「これからは、“彼氏”としてありすのことをそばで守りたい」


昴くんはわたしの“ボディガード”じゃなくて、わたしの――“彼氏”。


「もう、敬語で『アリス様』呼びの俺じゃないけど、それでもいい?」


昴くんがわたしの顔をのぞき込む。

わたしの答えを待っているかのように。


わたしの答え――。

そんなの、もう決まっている。


「それでもいい。…じゃなくて、それがいい!わたしのこと、もっとたくさん『ありす』って呼んでっ」


わたしがそう言うと、昴くんは柔らかく微笑んだ。


「わかった。嫌っていうほど呼んでやるから、覚悟しろよ」

「うん!」


わたしたちは顔を見合わせて笑った。

こんな昴くんの表情は初めて見る。


昴くんって、こういうふうにして笑うんだ。


…でも、…あれ?