「でも、選んだのはわたしだよ!昴くんに似合いそうなものを探して、いろんなお店をまわったの」


すると、昴くんは小箱からネクタイピンを取ると、さっそくネクタイにつけてくれた。


「どう?」

「すっごくいい!」


ブレザーからさりげなく見えるネクタイピンは、イージスの金色に輝くバッジととても合っている。


「ありがとう、大切にする」

「うん…!」


恥ずかしくなったわたしは、頬を赤くしながらぎこちなくうなずいた。


わたしが、ネクタイピンを選んだ理由――。

それは、今日のお昼休みの出来事がヒントになった。


『ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?』

『そ、そうかな〜…?』

『はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました』


人気のない廊下で、わたしにぐっと顔を近づけてきた昴くん。