その場に残された…わたしと昴くん。


「あ…あの、さっきの話なんだけど……」


…やばい。

昴くんを意識しすぎて、まともに顔を見られない。


「…“イージスのリーダー”じゃなくて、“四之宮昴”として話してもいいかな」

「う、うん…!」


昴くんが敬語じゃない。

それだけでうれしすぎる。


「俺…、ずっと気になってて。最近、ありすと慎太郎の仲がよくて。それに…今日は2人で買い物にも出かけたから」


昴くん、本当はそんなことを――。


「今日の買い物はね、どうしても買いたいものがあったの」

「だったら、俺もいっしょに――」

「昴くんじゃ…ダメだったの」

「どうしてっ」


ふてくされたように、眉を下げる昴くん。


「実は、これを買いにいってて…」


わたしは、バッグの中から黒色の小さなショップ袋を取り出した。