「…なにがおかしい?」


慎太郎くんの態度に、昴くんは不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。


「ああ…、ごめん!笑うつもりじゃなかったんだけど」

「とか言って、今も笑ってるだろ」

「…いや〜。昴、かわいいなって思ってさ」

「かわいい…?俺が?」


険しい表情をして首をかしげる昴くん。


「本当のことを言うと、昴がオレとアリスちゃんのあとを追ってきてることは知ってたんだ」

「「…えっ!?」」


わたしと昴くんの驚きの声が重なる。


「オレだってイージスの1人なんだから、だれかにつけられてる気配くらいわかるよ。それが昴だってわかったから、あえてアリスちゃんと仲よさそうにしてみたっ」


慎太郎くんは舌を出して、いたずらっぽく笑ってみせる。


「…そうだったの!?」

「うん。密着しながら買い物して、2人でクレープをシェアして。傍からみたら、カップルっぽく見えるようにね」