「好きに決まってんだろ!ありすのことが!」


予期していなかった展開に、わたしは昴くんに抱きしめられたまま目を丸くする。


まっ…待って。

今…、昴くん…わたしのこと――。


「俺は、ずっと前からありすのことが好きだった!慎太郎、お前もイージスのボディガードならわかるだろ?ありすに気持ちを伝えたいけど伝えられない…このもどかしさがっ」


昴くん、…実はそんなことを。


わたしのことを『アリス様』と呼んで敬語を貫いてきたのも、すべてはイージスとしての職務のため。

そのせいで、どこか冷たく距離があるようにわたしは感じてしまっていたけど、本当は気持ちを押さえるので精一杯だったなんて。


「フフフッ…」


すると、昴くんの告白を聞いていた慎太郎くんが口元を隠しながら笑い声をもらす。