…そうだった。

突然の昴くんの登場に驚いたけど、たしかにさっきそう言った。


あの意味って――。


わたしの顔がぽっと熱くなる。


「アリスちゃんはアリスちゃんだろ。昴のものじゃない。部外者は帰ってくれよ」

「部外者じゃないからここにいるんだろ」


そう言って、わたしをぎゅっと後ろから抱きしめる昴くん。


「昴にとって、アリスちゃんは“ただの警護対象者”なんだろ?だったら――」

「…違う。俺は、ここへは“ボディガード”としてきたわけじゃない。だから、ありすも…今は“ただの警護対象者”なんかじゃない」


…え?

じゃあ、昴くんにとって今のわたしって――。


「慎太郎にも虹斗にも、他のやつらにも絶対に渡したくない」

「渡したくないって…、べつに好きとかじゃないんだから――」