「…まっ、まままま…待ってよ、慎太郎くん。急になに言って…」


頭の中が混乱して、なにをどうしたらいいのかわからない。


「今日だって、わたしの気持ちを知ってるから…ついてきてくれたんだよね?」

「そうだよ。理由はともあれ、好きな人と2人でデートできるならうれしいじゃんっ」


慎太郎くんが言う“好きな人”って――。

わたしのこと…なんだよね?


「オレが昴への気持ち忘れさせるから。だからオレの彼女になって、アリスちゃん」


わたしの手を取って見つめる慎太郎くん。


まさか、慎太郎くんがわたしのことをそんなふうに思ってくれていただなんて――。