「うん!おいしい!」

「よかった〜!じゃあ、わたしもさっそく…」


わたしもいちごカスタードクレープを頬張る。


「おいし〜!わたし、生クリームと迷ったんだけど、カスタードにして正解だったかも」

「そっちもおいしそうだね。オレにもちょっとちょうだい」

「どうぞ」


と言って、慎太郎くんにクレープを手渡そうとしたとき――。

わたしが持っていたクレープに、慎太郎くんがはむっとかぶりついた。


慎太郎くんが上目遣いで驚くわたしに視線を移す。


背の高い慎太郎くんに下から見上げられることはまずない。

だから、普段見ない慎太郎くんの近距離のアングルに思わずドキッとした。


「うまっ」


口の端についたカスタードクリームを舌でペロッとなめ取る慎太郎くん。


「あっ。アリスちゃん、ちょっと動かないで」