「よかったね。無事に買えて」

「うん!わたしじゃ、どんなお店に行ったらいいのかわからなかったから助かったよ。ありがとう、慎太郎くん」

「どういたしまして」


学校へ戻る途中、公園の広場でクレープのキッチンカーを見つけた。


「慎太郎くん、クレープ好き?」

「うん。甘いもの、けっこう好きだよ」

「じゃあ、今日付き合ってくれたお礼にご馳走させてっ」


わたしは、慎太郎くんの分も合わせてクレープを2つ買った。

それを持って、向こうのほうに空いているベンチを見つけてそこに腰を下ろす。


「はい、どうぞ」

「ありがとう、アリスちゃん。…でも、いいのかな?アリスちゃんにご馳走になっても…」

「いいの、いいの!遠慮しないで」


わたしがそう言うと、慎太郎くんはにこっと笑ってクレープにかじりついた。