「そうだね。慎太郎くんとわたしだけのヒミツ…かなっ」


表情を読まれないように、わたしは昴くんからなんとか視線をそらした。


「…わかりました」


すると、頭の上から元気のない昴くんの言葉が降ってきた。


「こんなところに連れ出してしまって、申し訳ございませんでした。教室に戻りましょうか」

「う…うん」


も…もしかして、なにか悟られた…?

誕生日プレゼントのこと…、バレちゃったかな。


不安になりながら、わたしは昴くんの背中を見つめていた。



その日の放課後。


「アリスちゃん、行こう!」

「うん!」


授業が終わるとすぐに、わたしは慌ててバッグを肩にかけた。


「アリス様、やはり俺もいっしょに――」

「慎太郎くんがついてるから大丈夫!昴くんは、絶対に絶対についてきちゃダメだからね…!」