昴くんの鋭い瞳がわたしを捉える。


なんだか…、怒ってる?


すると、昴くんがグイッとわたしに顔を近づけてきた。


「ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?」


頬に吐息がかかるくらいの至近距離に、わたしはとっさに顔が赤くなった。


「そ、そうかな〜…?」

「はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました」


わたしに一直線に向けられる昴くんのまなざしから目をそらすことができない。


「さっきも…2人でなにを話していたのですか」

「なにをって…、べつにそんなたいした話じゃないけど…」

「俺には言えないような話…ですか」


唇をきゅっと噛み、悔しそうに眉を下げる昴くん。


…昴くん、どうしたの。

どうして、そんな寂しそうな顔をするの…?


でも昴くんの言うとおり、『昴くんには言えない話』をしていたのはたしか。