「ですがアリス様、虹斗の言うとおり校外こそなにがあるかわかりません。アリス様のお買い物、俺がお付きいたします」

「…えっ!?」


思ってもみなかった昴くんからの提案に、わたしは驚いて口へ運ぼうとしていたミニトマトをお箸から滑らせて落としてしまった。


「い…、いいよいいよ!子どもじゃないんだから…!」


昴くんの誕生日プレゼントを秘密で買いにいくのに、その昴くんがついてきたら意味がない。


「買い物をされるとのことで、お荷物をお持ちします」

「そんなたくさん買わないから大丈夫…!」

「しかし――」

「それに、慎太郎くんといっしょだからっ」


わたしは、向かいに座る慎太郎くんに視線を送る。

慎太郎くんも相づちするようにこくんとうなずいてくれた。


「慎太郎が…?」

「そう。慎太郎くんも買いたいものがあるみたいで、それならいっしょに行こうって話してて」