その話にすぐに飛びついてきたのは虹斗くんだった。


「アリスちゃんが外出?どこか行きたいところでもあったの?」

「うん。久々に服を買いにいこうかなって」

「えー!それなら、ぼくもいっしょに行きたい!」


斜め前に座る虹斗くんが手を大きく振ってアピールする。


「虹斗。お前は放課後、フェンシングの特別トレーニングがあるだろ」

「…あ、そうだった」


昴くんに言われ、悲しそうに肩を落とす虹斗くん。


「でも警護って、校外までついてくる必要はないんだよね?」

「そうだけど、変な男に絡まれないか心配だから、ぼくがいっしょに行きたかったのに〜」

「気持ちだけ受け取っておくね。虹斗くんは、フェンシングのトレーニングがんばって」

「…は〜い」


虹斗くんは、いじけながらスープをズズズと飲む。