「とってもよかったです!両方ともください♪」

「…ちょっと、アリスちゃん!」

「かしこまりました!」


そう言って店員さんは微笑むと、2着のワンピースを持ってレジへと行ってしまった。


そのあとに、アリスちゃんも続く。

しかし、その足元はわたしのスニーカー。


アリスちゃんは、スニーカーまで勝手にはいていってしまった。

試着室に残されていたのは、アリスちゃんのサンダル。


「お支払いはいかがなさいますか?」

「カードで♪」 


そうして、わたしがアリスちゃんの編み上げサンダルをはくのに手こずっている間に、アリスちゃんはわたしが選んだワンピースを2着とも買ってしまっていた。


「おや?ありすちゃん、試着は終わったの?」


ようやくサンダルがはけたわたしのところへ、おばあちゃんがやってくる。