「…すばっ、昴くん…!」


突然のご本人登場に、わたしは空いた口が塞がらない。


「人がいない間に、さっきから好き勝手言って…」


昴くんは不気味に口角を上げながら、指をポキポキと鳴らす。


「…虹斗!そろそろ行くぞっ」

「え〜。でも慎太郎くん、まだ時間あるよ?」

「いいから!」


慎太郎くんは、昴くんの表情からなにかを察したようだ。

駄々をこねる虹斗くんの腕を引っ張る。


「あっ、そっか〜!アリスちゃんと昴くんを2人きりにしてあげないといけないんだね!キスの続きもしたいだろうし♪」

「…シッ!余計なことを言ってないで早くこいっ」

「は〜い」


虹斗くんはわたしたちを冷やかすと、慎太郎くんに連れられて部屋から出ていった。


「アリス様、虹斗と慎太郎が余計なことを言って…申し訳ございませんでした」