「アリスちゃん、どうする?正直オレたちは、大事なアリスちゃんがこんな目にあわされて許せないと思ってる。だから、判断はアリスちゃんに委ねるよ」


慎太郎くんの話を聞いて、わたしはあごに手をあてて考える。


沙理奈ちゃんは、とてもプライドが高いお嬢様。

だから、突然現れてカースト1位になったわたしのことが目障りだった。


なににおいても自分が一番じゃないと納得いかなくて、エスコート科のボディガードを駒としか思っていない沙理奈ちゃんには、わたしも言いたいことはたくさんあるけど…。

だからといって、今回の件を責めるつもりはない。


「沙理奈ちゃんのことはもういいよ」

「…え、許しちゃうの?」

「うんっ」


納得していなさそうな虹斗くんと慎太郎くんだったけど、わたしは笑ってみせた。


わたしが星乃川学園にいられるのは、あと半月ほど。