ここにいるのは、わたしたち2人だけ。


まるで時が止まったかのように見つめ合うわたしたち。

お互いの瞳に映る自分たちの顔は、恥ずかしそうに頬を赤らめている。


このまま、昴くんの瞳に吸い込まれるんじゃないだろうか。


そう思っていた、――そのとき。


グゥ~〜…


情けない音が部屋に響く。

それは、わたしのお腹の音だ。


「…あっ……」


恥ずかしくなって慌てて手でお腹を押さえる。

だけど、お腹の虫は鳴き止まない。


「ずっと眠られていて、なにも食べていませんからね。すぐになにか作ってきます」


昴くんは少し口角を上げて笑みを見せると、わたしの部屋から出ていった。


そのあと昴くんが料理してくれて、2人で少し早めのお昼ごはんを食べた。


「昴くん、後片付けは――」