「でも、今わたしがこうしてのんきに寝坊できているのは、昴くんのおかげだよ。それに…もしかして、わたしが目覚めるまでずっとここにいてくれたの…?」


わたしの問いに、昴くんは静かにうなずく。


「ボディガードとして、当然のことです」


昴くんはそう言うけれど、わたしが池に突き落とされて気を失ったのが昨日の6限の授業のとき。

そして、今は11時前。


つまり、丸1日近くわたしに付きっきりだったということだ。

いくらボディガードだからって、なかなかできることじゃない。


「昨日のこともそうだけど、いつもわたしのためにありがとう。昴くん」

「アリス様…」


一瞬、昴くんの瞳が潤んだような気がした。

クールな昴くんが見せた不意の表情に、わたしはドキッとする。


虹斗くんと慎太郎くんはわたしの代わりに授業に出てくれていて、今は部屋にはいない。