「…そうだ、学校!急いで準備しなくちゃ…!」

「その必要はありません。本日は欠席すると伝えてあります」

「でもっ…」

「それに…、こういうときくらいお休みなされてください。もしまたアリス様になにかあったらと思うと、俺の心が休まりません」


眉を下げて、不安そうにわたしのことを見つめる昴くん。


「…わかった。なんか…心配かけちゃったみたいでごめんね」

「アリス様が謝ることなどございません。ボディガードでありながら、アリス様を危険な目にあわせてしまった…俺の責任です」


悔しそうに唇を噛む昴くん。


『自分の責任』って言ったって――。

あの時間、昴くんたちエスコート科は特別授業のためいなかった。


自分たちがいないところで警護対象者のお嬢様を守るだなんて、それは無理な話。

だから、そんなに責任を感じてほしくない。