スマホのアラームを無意識で勝手に止めているときがよくあるから。


そう思っていたら――。


「…よかった」


耳元でそんな昴くんの声が聞こえたと思ったら、気づいたらわたしは昴くんの腕の中にいた。


「えっ…、えっと…。す、昴…くん!?」

「このまま目を覚まされなかったらと思ったら…、どうしようもないくらい…こわくなって」


昴くんは、ぎゅっとわたしを抱きしめる。

わたしがここにいるということを確かめるように。



そのあと、昴くんにわたしが眠っていた間のことを教えてもらった。


わたしが沙理奈ちゃんに池に落とされたあと、すぐに助け出してくれたのが昴くんだった。

わたしはその場で気を失ってしまったようで、今までずっと眠っていたらしい。


しかも、いい朝を迎えられたと思ったら、もうお昼の11時前だった。