「…ありす!…ありすっ!!」


――だれかがわたしを呼んでいる。


ぼんやりと頭の中に響く声。

唇に触れる温かいなにか。


気持ちいい感触。

これはいったい――。



* * *



小鳥たちのさえずりが聞こえ、わたしは眠りから目覚めた。

カーテンの隙間からは太陽の明かりが差し込んでいる。


「ん〜…、よく寝た〜!」


わたしは大きな伸びをしながら起き上がる。


たくさん寝たけど、今何時?


寝ぼけながら目をこする。


すると、すぐそばに気配を感じて瞬時に振り返った。

そこにいたのは、ぽかんとして口を開けた昴くん。


「す…昴くん?おはよう…!」


…びっくりした。

まさか、わたしの部屋に昴くんがいるとは思わなかった。


「…あっ。もしかして、わたし…また寝坊しちゃった?だから、起こしにきてくれたの?」