「…沙理奈ちゃん。いくらなんでも池に落とすのは、やりすぎだったんじゃ…」

「なぁに!?わたくしが悪いっていうの!?」


周りの女の子を睨みつける沙理奈ちゃん。


だれかが手を差し伸べてくれたらいいのだけど、みんな桟橋からどうしたものかとわたしを見下ろすだけ。


「たっ…助け――」


意識が途絶えかけていた。

そうして底から引っ張られるように、体が深く深く沈んでいく。


あれ…。

わたし…、このままここで…死んじゃうのかな。


薄れゆく意識の中で、そんなことを考えていた。

――そのとき。


「ありす…!!」


わたしの名前を叫ぶ声が聞こえたような――。


そこでわたしは意識を失った。