その衝撃で、わたしは足が一歩後ろへ上がり――。

もう片方の足も下がったとたん、桟橋から踏み外してわたしの体が大きくバランスを崩した。


「…きゃっ」


小さな悲鳴とともに、わたしは背中から池の中へと落ちてしまった。


なんとか息継ぎで水面から顔を出したわたしを、沙理奈ちゃんは笑って見下ろす。

他の3人の女の子も、沙理奈ちゃんの後ろで笑っている。


「…ぷはっ!た…助けっ…!!」

「演技は結構。上がるなら、さっさと上がってきたらいいじゃない」


そんな沙理奈ちゃんの声は耳にも入らず、必死にもがくわたし。

というのも、わたしは泳げなかった。


まったく上がってくる気配のないわたしに、さすがに沙理奈ちゃん以外はなにかがおかしいということに気づき始める。


「ね…ねぇ、ちょっと…ヤバイんじゃない?」