「沙理奈ちゃんのボディガードになることに、そこに昴くんの意思はないの?」

「は?なにが言いたいの?」

「…昴くんは、“もの”じゃないんだよ!みんなからうらやましがられるために身につけるアクセサリーなんかじゃない!」

「じゃあ、なに?あなた、自分は昴様やイージスに選ばれた“特別な存在”とでも思ってるわけ?」


言葉に詰まるわたしを沙理奈ちゃんは容赦なく睨みつける。


「…ムカツク。あのイージスが護衛についてるっていうのに、さも当然というようにすました顔して。それに、いつでもヘラヘラ笑ってわたくしをバカにしてっ」

「…バカにするだなんて、わたしはただ――」

「あなたのそういうところが気に食わないの。目障りだから、わたくしの前に立たないでちょうだい!」


そう怒鳴って、沙理奈ちゃんがわたしを強く突き飛ばした。