「お店の中って言うけど…、試着室の中にまで入ってきてるよね?」


わたしが服に着替えていたからよかったけど。


「まあね。そこは気にしないで♪」


屈託ないアリスちゃんの笑顔を見たら、どうしても許してしまう。


「それで、さっきの話に戻るけど。そんなに悩むなら、アタシがその両方のワンピースを買ってあげるよ」

「…なっ!急になにを言い出すかと思えば…。今日出会ったばかりの人に、そんなこと――」

「お金の心配なら大丈夫♪アタシには、これがあるからっ」


そう言って、アリスちゃんは懐からなにかを取り出した。

それは、まぶしいくらいに金色に光り輝くカード。


「これさえあれば、なんでも買えちゃうよ♪」

「そうだったとしても…ダメダメ!」

「遠慮しないで〜。それに、タダで買ってあげるとは言ってないから」