アニメとかドラマとか小説とか、フィクションの中で言われてるって印象だけど……。

 それがどうしたんだろう?と疑問を抱いて、ストレートに口にする。

「かなちゃん、それって感覚の問題とか……じゃないの?」

 恋をした事ない私にとって、かなちゃんの言葉はピンとこない。

 そんな私にかなちゃんは分かっていたというように、ふかーく頷く。

「そう言うと思った。」

「……かなちゃん、私はちゃんと教えてもらいたいの。からかわないでっ。」

「あはは、ごめんごめん。ちょっと遊びたくなっちゃって、つい。」

「ついじゃないよ……!」

 かなちゃんのいじわるっ!

 からかいの色を隠そうともしないかなちゃんをぽかぽか叩いて、ささやかな反抗をする。

 だけど身長が私よりも遥かに高いかなちゃんには、結果的に丸め込まれるだけで。

「かなちゃん! その無駄に高い身長でぎゅーしてくるのやめてーっ!」

「無駄に……心外だなぁ、望羽。いいじゃん、望羽ちっちゃくて可愛いし。」

「ちっちゃいは余計だよー!」