かなちゃんは絶対モテモテだった……!って。

 晴れて高校からは一緒のところに通えるから、もう予想はつく。

 きっとかなちゃんと一緒にいたら視線を嫌でも浴びるんだろう。そしてかなちゃんへの告白現場をいくつも目の当たりにするんだろう。

 実際、かなちゃんとプライベートでお出かけした時、二回くらいナンパなるものをされてしまった。

 他にもスカウトとか、街角インタビューとか、かなちゃんはことごとく声をかけられる。

 ……という事はつまり、かなちゃんは恋愛マスターなのではないか!?

 そう結論付けた私は、ぐいっとかなちゃんに迫る。

「お願いします、かなちゃん先生……!!」

 私に恋というものを教えてください!

 そんな熱意が伝わるように、じっとかなちゃんの澄んだ瞳を見つめる。

 深い海みたいな碧色は吸い込まれそうなほど綺麗で、やっぱりお人形さんみたいだなって思う。

 ……そして、やっと私の気持ちが伝わったのかかなちゃんは一つ息を吐き出した。

「分かったよ、望羽。恋愛、どんなものか教えてあげるよ。」