「初対面のころから、あさひにどこか惹かれてた。側にいたいって思ってた。それは、お前が太陽の巫女だったからなのかもしれない」

　いつも以上に長文を口にする朔さんは無表情を柔らかな笑顔に変えて「でも」とそのまま続ける。

「一緒に過ごして、あさひのことを知っていくほどもっと惹かれた。太陽の巫女だからっていうのもあるかもしれないけど、俺はあさひだからこそ守りたい」

　恋を自覚したばかりの相手にそんなことを言われて、私の心臓はどんどん早まっていく。
　うれしいけど、恥ずかしくて、顔が熱くなって、どうすればいいのかわからない。
　とりあえず、小さな声で「はい」と返事をするのが精一杯だった。
　そこへ弦さんが身を乗り出して朔さんに食ってかかる。

「朔兄、ズルイよ！？　僕だってあさひちゃんの側にいたいし、守りたいって思ってるのに！」
「確かに抜け駆けだよな？　あさひのこと好きなのは朔だけじゃないってのに」

　晦さんもニヤニヤ笑いながら話しに入ってきた。
　晦さんはいつも楽しそうに笑いながら言うから、その『好き』がどういう意味なのか判断できないんだけど……。
　そしてこんな風に困っているといつも間に入ってくれる満さんは。

「そうだね、あさひさんのナイト役を朔に独り占めにされたくはないね」

　今回ははじめから参戦してきた。

「えっと……望ちゃんを守らなきゃないのはこれからも変わりないんですし、私はそこまで守ってもらわなくても……」

　みんながみんな私を守るなんて言うから、望ちゃんも守るべきだよね？　ってうながしたつもりなんだけど。

「なに言ってるの！？　あさひちゃんこそが守られるべきだって言ってるでしょ！？」

　と、その望ちゃんに詰め寄られた。