せまい部屋にひとりぼっち。
 怖くて、寂しくて、震えが止まらない。
 きっと、さっきまで強くいられたのは望ちゃんがいたからだ。
 望ちゃんを守らなきゃ、って必死になっていたから。
 一人になってしまったら、守る人もいなくなってしまったら、私はこんなにも弱いんだって思い知らされた。

「怖いよぉ」

 望ちゃんのことを一番に助けてほしいとは今でも思ってる。
 でも、望ちゃんを助けたら、すぐに私のところにも来てほしい。

「……助けて」

 そんな思いでつぶやいたときだった。

『なんだお前! ぐぁっ!』

 外の見張りの男の声がして、ドサッと何かが倒れる音が聞こえた。
 その少し後にドアがガチャガチャと鳴って、鍵が開けられる。

「あさひ!」

 ドアを開けて、私の名前を呼びながら入ってきたのは朔さんだった。
 必死そうな朔さんの顔を見たとたん、胸に熱いものが広がって涙があふれる。