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 男たちに連れられて、私と望ちゃんは裏門から学校敷地外に出た。
 途中で誰かに助けを求められないかと考えたけれど、そんなに甘くはなかったみたい。

「少しでもおかしな行動をしたら月の巫女だけをさっさと連れ去るからな」

 って釘を刺されて、三人に見張られた状態だったから。
 それでも四つ子の誰かに会えれば気づいてもらえたかもしれないけれど、こんなときに限って誰にも会えなかった。
 こんなときこそ満さんの【開運祈願】の強運が欲しいと思うけれど、ないものねだりでしかないよね。

 そうして、学校を出た私たちは車に乗せられてどこか別の場所に連れてこられた。
 どこかの小さな会社みたいだったけど、つぶれているのか人は見当たらない。
 その会社の一部屋に押し込められ、三人のうちの一人が見張りに残った。
 そうして二人で身を寄せ合っていると、すぐに他の二人が戻ってくる。

(わか)さん、もう来てるみたいだ。巫女を連れて来いって言ってる」
「そうか、わかった」

 すると三人は私たちに近づいてきて、今度こそ望ちゃんから私を引き離そうとした。

「やだ! 離れないから!」
「このっ、いい加減にしろよ!? 別にこの建物から出そうってわけじゃねぇんだ、お前は大人しくしてろ!」

 なんと説明されても離れない! そう思っていたのに、望ちゃんが私を止めた。

「あさひちゃん!」

 ギュッと抱きしめて、それからまっすぐ目を合わせられる。