目立つ四人が他へ行ってしまうと、一般のお客さんもだんだん増えてきてそこそこ忙しくなった。
 慣れないウェイトレス役に四苦八苦しながらも何とか担当する時間が終わると、すぐに望ちゃんが元気よく私を誘う。

「さ、あさひちゃん! 一緒に回ろう?」
「うん!」

 疲れたと思っていたけれど、望ちゃんのカワイイ笑顔を見たら疲れが癒やされて元気が出てくる。
 私はうなずいて、差し出されていた望ちゃんの手を取り歩き出した。
 ちょうどお昼も近かったから、昼食になりそうな食べ物を提供しているクラスに行ってみたり。
 食後は腹ごなしにというわけじゃないけれど、展示物を軽く見たり、的当てやビンゴなどのゲームに参加してみたりと二人で楽しんだ。

 事前に行ってみたいところを一通り見てきた私たちは、次はどうしよっか? と話ながら、いつもだったら来ない二年の教室がある廊下を歩いていた。
 すると突然声をかけられる。

「そこのお二人さん、お化け屋敷入っていかない?」

 シーツを頭からかぶったようなお化け姿の男子だ。呼び込みをしてるみたい。
 正直私、幽霊とか苦手だからお化け屋敷は入るつもりなかったんだけど……。

「うーん、どうしよっか?」

 と聞いてくる望ちゃんはどっちでも良さそうだった。
 私が嫌だって言えば入らずに済みそう。
 そう思って口を開こうとしたとき――。