「肘、ケガしてる。大丈夫じゃないでしょ?」
「あ、いや……そこまで痛くはないから」
実際にはジリジリと痛みが増して来ていたけれど、必要以上に心配させたくなくてちょっとだけやせガマンをする。
すると、いつの間に近くに来ていたのか穏やかな男の子の声が降ってきた。
「痛くないわけないよね? ほら、貸して?」
「あ、弦兄さん」
「え?」
女の子が弦と呼んだ人を見上げると、紺色の髪の男の子と同じ制服をキッチリ着た男の子が海みたいな紺碧色の目で私を見下ろしていた。
声が低いから男の子だってわかるけれど、顔立ちは女の子みたいにカワイイ。彼は銀色の長めのショートの髪をふわりと浮かせてしゃがみこむ。
ビックリしている私の腕を取って肘のケガを見ると、「痛そう……」と呟いてケガの部分にもう片方の手を乗せた。
痛みで熱くなっている傷にヒンヤリとした手が当てられて、少し痛みが引いたかなって思った私は次の瞬間声が出ないほど驚く。
だって、男の子――弦さんの手がどけられたら、肘のケガがキレイになくなってたんだもの。
「よかった、キレイに治せた。……それにしても君すごいね、あんな怖そうな男たちに立ち向かっていくなんて……」
『プリミュ』の『カリン』みたいだ、と呟いた弦さんはなぜかすごくキラキラした目で私を見てくる。
『プリミュ』は知ってる。女の子向けのアニメのことだ。キャラやお話の内容を変えてたくさんシリーズ化されてる人気アニメで、見ていなくても存在を知っている人は多いと思う。
でも、私も小学四年生くらいのときに見たのが最後だから、『カリン』がどういうキャラなのかはわからなかった。
少し困惑した状態で弦さんを見つめていると、また別の男の子の声がする。
「あ、いや……そこまで痛くはないから」
実際にはジリジリと痛みが増して来ていたけれど、必要以上に心配させたくなくてちょっとだけやせガマンをする。
すると、いつの間に近くに来ていたのか穏やかな男の子の声が降ってきた。
「痛くないわけないよね? ほら、貸して?」
「あ、弦兄さん」
「え?」
女の子が弦と呼んだ人を見上げると、紺色の髪の男の子と同じ制服をキッチリ着た男の子が海みたいな紺碧色の目で私を見下ろしていた。
声が低いから男の子だってわかるけれど、顔立ちは女の子みたいにカワイイ。彼は銀色の長めのショートの髪をふわりと浮かせてしゃがみこむ。
ビックリしている私の腕を取って肘のケガを見ると、「痛そう……」と呟いてケガの部分にもう片方の手を乗せた。
痛みで熱くなっている傷にヒンヤリとした手が当てられて、少し痛みが引いたかなって思った私は次の瞬間声が出ないほど驚く。
だって、男の子――弦さんの手がどけられたら、肘のケガがキレイになくなってたんだもの。
「よかった、キレイに治せた。……それにしても君すごいね、あんな怖そうな男たちに立ち向かっていくなんて……」
『プリミュ』の『カリン』みたいだ、と呟いた弦さんはなぜかすごくキラキラした目で私を見てくる。
『プリミュ』は知ってる。女の子向けのアニメのことだ。キャラやお話の内容を変えてたくさんシリーズ化されてる人気アニメで、見ていなくても存在を知っている人は多いと思う。
でも、私も小学四年生くらいのときに見たのが最後だから、『カリン』がどういうキャラなのかはわからなかった。
少し困惑した状態で弦さんを見つめていると、また別の男の子の声がする。