「あっ、大丈夫!?」
女の子が心配して声をかけてくれるけれど、アスファルトに肘をこすりつけられた私は痛みに耐えて呻くのが精一杯。
そうしているうちに女の子はまた男につかまってしまう。
「お前はこっちだ!」
「やだ! 離して!」
連れ去ろうと女の子を無理矢理引っ張っている男。
私は、女の子を助けたい一心でまた体を起こす。
でも、立ち上がる前に淡々とした男の子の声が耳に届いた。
「お前は大人しくしていろ」
「へ?」
声のすぐ後に、私の横を誰かが走って通り過ぎる。
紺色の髪の男の子だ。ところどころ跳ねている毛先が走るのに合わせて揺れている。
変わったデザインの制服を着た中学生くらいの彼は、女の子を捕まえている男に突進して彼女を守っていた。
空手、なのかな?
素手で男たち数人と渡り合っている姿はすごくて、離れていてもわかる整った容姿も相まってとても格好良かった。
アスファルトの上で座り込んだままそれを見つめていると、女の子が彼から離れて私の方へ駆け寄ってくる。
「あなた、大丈夫!?」
「え? あ、うん」
肘をすりむいているから大丈夫ではないんだけれど、女の子の可愛さに驚いてそれ以外の言葉が出てこなかった。
見覚えのある、少し変わったワンピースタイプの制服を着ている彼女は、柔らかそうな茶色い髪をハーフアップで二つの三つ編みにして、それをくるんと根元で留めている。その髪型はウサギの耳みたいでそれだけでもカワイイ。
しかもキレイな緑色の大きな目に、小ぶりな鼻、小さな唇。どこを取っても可愛かった。
そのカワイイ顔が渋い表情を作る。
女の子が心配して声をかけてくれるけれど、アスファルトに肘をこすりつけられた私は痛みに耐えて呻くのが精一杯。
そうしているうちに女の子はまた男につかまってしまう。
「お前はこっちだ!」
「やだ! 離して!」
連れ去ろうと女の子を無理矢理引っ張っている男。
私は、女の子を助けたい一心でまた体を起こす。
でも、立ち上がる前に淡々とした男の子の声が耳に届いた。
「お前は大人しくしていろ」
「へ?」
声のすぐ後に、私の横を誰かが走って通り過ぎる。
紺色の髪の男の子だ。ところどころ跳ねている毛先が走るのに合わせて揺れている。
変わったデザインの制服を着た中学生くらいの彼は、女の子を捕まえている男に突進して彼女を守っていた。
空手、なのかな?
素手で男たち数人と渡り合っている姿はすごくて、離れていてもわかる整った容姿も相まってとても格好良かった。
アスファルトの上で座り込んだままそれを見つめていると、女の子が彼から離れて私の方へ駆け寄ってくる。
「あなた、大丈夫!?」
「え? あ、うん」
肘をすりむいているから大丈夫ではないんだけれど、女の子の可愛さに驚いてそれ以外の言葉が出てこなかった。
見覚えのある、少し変わったワンピースタイプの制服を着ている彼女は、柔らかそうな茶色い髪をハーフアップで二つの三つ編みにして、それをくるんと根元で留めている。その髪型はウサギの耳みたいでそれだけでもカワイイ。
しかもキレイな緑色の大きな目に、小ぶりな鼻、小さな唇。どこを取っても可愛かった。
そのカワイイ顔が渋い表情を作る。