望ちゃんを守りたいって気持ちは変わらない。ううん、むしろ強くなってる気がする。
 剣道はしないって決めた。でも、そのせいで望ちゃんを守れないならそんな決意捨ててやる!

 朔さんに悩みを話して少しはスッキリしたのかな? 話しているうちになんだか吹っ切れてきた。
 前の学校みたいにカワイイものなんて似合わないって言われるかもしれない。その不安はまだある。
 でも、そんなどうなるかわからない不安よりも、望ちゃんや朔さん、みんなとこれからも一緒にいたいって気持ちの方が大きいって気づいたんだ。
 真っ直ぐ朔さんを見上げると、私の気持ちを察してくれたのか彼はフッと優しげな笑みを浮かべた。

「わかった。じゃあ俺は、カワイイものが好きだって気持ちごとあさひを守るよ」
「っ! え……?」

 守るのは望ちゃんじゃないの?
 聞きたかったけれど、いつにも増して優しい朔さんの笑みに私は言葉を失ってしまう。

 少し青っぽくも見える朔さんの黒い瞳に見つめられて、早くなる鼓動が抑えられなかった。