まだ心配そうにしている莉央を強引に校庭に向かわせ、私は来た道を戻る。
きっと莉央は私のバレバレな嘘に気づいたに違いない。
だけど今は、一人になりたかった。
◆
「…え?日向?」
「よう」
「なんで…っ。さっき先生から倒れて病院に運ばれたって聞いたよ」
制服姿の日向は困ったようにバレたか、と笑うとゆっくりと私に近づいてきた。
「もう大丈夫だよ。大したことなかったからさ。けど念のため入院になっちまった。一時間だけ外出許可もらったから、後夜祭は出ようと思って。ダンス大会と即興バンドはもう終わっちゃったみたいだな。結構楽しみにしてたのに」
「ひな…た…」
ちゃんと手を伸ばせば触れられる日向の温もりに、嬉しくて涙が出そうだった。
きっと莉央は私のバレバレな嘘に気づいたに違いない。
だけど今は、一人になりたかった。
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「…え?日向?」
「よう」
「なんで…っ。さっき先生から倒れて病院に運ばれたって聞いたよ」
制服姿の日向は困ったようにバレたか、と笑うとゆっくりと私に近づいてきた。
「もう大丈夫だよ。大したことなかったからさ。けど念のため入院になっちまった。一時間だけ外出許可もらったから、後夜祭は出ようと思って。ダンス大会と即興バンドはもう終わっちゃったみたいだな。結構楽しみにしてたのに」
「ひな…た…」
ちゃんと手を伸ばせば触れられる日向の温もりに、嬉しくて涙が出そうだった。