それはいきなり告げられた私の失恋だった。





「ねえ空!どういうことなの!?」



まもなく後夜祭が始まるため、生徒は校庭に出るようアナウンスが繰り返されている。


周りのざわめきにも負けないくらい大きな声を出して、私を見つけた莉央が突進する勢いで駆け寄ってきた。



「なにが?」


「なにが…って、小坂くんのことだよ!彼女いたって、ほんと?」



小坂くんに実は他校の彼女がいたと知れ渡ったのは、あっという間のことだった。


あの後二人は腕を組んだまま校内を回ったようで、その様子を目撃したクラスメイト達が噂を回していた。


いつも一匹狼で人と関わろうとしないクールな小坂くんだからこそ、美人な彼女がいたことに周りは興味津々のようだ。