「莉央…?どうしたの?」



その声が少しだけ震えている気がした。



「あの子と回ってきなよ。今誘われてたでしょ」


「え?いや、俺は莉央ちゃんと回りたくて…」


「私は回りたくないって言ってるでしょ!ヘラヘラしちゃって、あんたのそういうところが大嫌いなの!いつまで私につきまとうの、いい加減うんざり!」



山崎くんはショックを受けたように呆然としていた。


莉央は振り向くことなく、逃げるように走り去ってしまった。



「あ、莉央!待って…っ」



山崎くんも気になったけど、今はそれよりも莉央だ。


莉央は素直に私の言葉で立ち止まると、恐る恐る振り返ってきた。