今ブレイク中の女優さんに少し似ていて、もしかして本当にモデルかなんかじゃないのかってくらいぱっちりとした二重に綺麗な鼻筋、ぷっくりと小さなピンク色の唇と、女の私でも思わず見惚れてしまうほど可愛らしい。



｢花織(かおり)？え、何してんの？｣


｢何してんのって、日向の文化祭見に来てあげたんでしょー！おばさんにチケットももらってきたんだから！しかも今シフト休みなんでしょ？ちゃんとおばさんにリサーチ済です！てことで私のこと案内してね♡｣


｢はあ？何勝手なこと言ってんだよ｣



日向が立ち上がると、ちらりと私を見てきた。



｢俺は今柚と回ってんの。花織は後にしろよな｣



別に回る約束をしていなかったのに、当たり前のように私と回ると言ってくれたことがすごく嬉しかった。



｢はあ？柚？だれ？｣


｢クラスメイトだよ。俺の病気のこと知ってるやつが一人だけいるって言っただろ？それが柚。柚、こっちは俺の主治医の先生の娘、佐野(さの)花織｣