「おう。柚、半泣きだったもんなー」



けらけらと馬鹿にしたように笑う日向に、やめてよと軽く肩を叩く。



「あ、あのね、日向」



せっかくの二人きり。


今こそずっと言おうと思っていたあれを言わなくては…。



「あの、今日の後夜祭なんだけど…」


「日向ー!」



隣駅にある女子校の制服を来たツインお団子の小柄な女の子が、日向に向かって飛びついてきた。



「うっわ!?」



そのまま後ろに倒れてしまった日向に、それでも回した腕を離そうとしない女の子のあまりにも整ったお人形のような顔に驚いて目を丸くする。