「あ、そうだ!そういえば、もう萩原さんのこと名前呼びしてもいい?友達だしさ」


「え」


「私のことも莉央でいいから!だから私も空って呼んで…」


「だめ…っ!」



気づいたら大声を出してしまい、ハッと口をおさえる。



「え…?」


「あ、ごめん、私…」



周りからの怪訝そうな視線に耐えられなくなり、教室を飛び出す。



「はぁ…っ」



遠くで予鈴の音が聞こえて来たけど、戻る気なんて起きなかった。