寝転がっていた日向が唐突に手を伸ばして来たかと思うと、私の頭をぐいっと引き寄せてきた。


突然のことにわけがわからないまま、気がつくと日向の胸に顔を埋めていた。



「俺はどんな柚だって受け止める。そばにいる。…この命が尽きるその時まで、俺は柚の隣にいるから」



じわりと視界が滲み、日向のセーターを濡らしていく。



私はずっとその言葉を待っていたのかもしれない。


“ここにいていいんだよ” “どんな柚でもそばにいるよ”って、そう言ってくれる存在に私はずっと出会いたかったんだ。



私と日向は少しだけ似ている。


本当の自分を隠して偽りの自分で生きているところとか、本当は弱いところとか。


だから私はこんなにも日向に惹かれてしまうのかもしれない。



「俺の名前の由来、知ってる?」