「本当、影薄いわね。今美羽が二階で模試の勉強してるから、絶対に邪魔しないように。あんたと違って出来のいい子なんだから」
「…うん」
お母さんはいつもなんでもできる完璧な二個上のお姉ちゃんとなんの取り柄もない私を比べてくる。
家での私はいてもいなくても変わらない存在。むしろいない存在として扱われている。
きっとお母さんは私を産んだことを後悔しているんだと思う。
◆
「なんで柚はいつも笑ってるの?」
「…え?」
屋上で日向が寝転がりながら、ぽつりと呟くようにそう言った。
「クラスメイトと話してる時も俺といる時も、柚はいつも無理して笑ってる気がする。無理して、明るく振る舞ってる気がする」
「…うん」
お母さんはいつもなんでもできる完璧な二個上のお姉ちゃんとなんの取り柄もない私を比べてくる。
家での私はいてもいなくても変わらない存在。むしろいない存在として扱われている。
きっとお母さんは私を産んだことを後悔しているんだと思う。
◆
「なんで柚はいつも笑ってるの?」
「…え?」
屋上で日向が寝転がりながら、ぽつりと呟くようにそう言った。
「クラスメイトと話してる時も俺といる時も、柚はいつも無理して笑ってる気がする。無理して、明るく振る舞ってる気がする」