「え?あ、本当だ。文化祭準備サボってこんなとこで何してんの?」



反射的に顔を上げた小坂くんがしまったと顔をしかめ、高城さんの問いに答えもせず無言で立ち去ろうとする。



「ちょっと待ったぁ!小坂蓮!」



そんな小坂くんの前に素早く回り込んだのは、フロアに響くくらい大声を出した山崎くんだった。



「付き合えよ」


「…は?俺、男と付き合う趣味はないから」


「ば、ちっげぇよ!ちょっとそこまで付き合えってこと!そこのカフェにでも行こうぜ、はい決定ー!」



小坂くんの腕をがっしりと掴みカフェに連行する山崎くんのあとを、高城さんとわけがわからないままついていく。



なぜか席順は私と小坂くん、高城さんと山崎くんが隣り合わせで座り、適当にメニューを注文して長い沈黙が流れていた。


なんとも微妙な空気にいてもたってもいられなくなり、そそくさとスマホを取り出して高城さんとメッセージのやり取りをする。