そんな惹かれあう二人にはそれぞれ秘密があって、柚は二つ上の姉といつも比べられていたため、明るく元気でいい子を演じている。


日向は明るさの裏で実は重い病気を患っていて、余命が一年という設定にしてある。



そんな二人が自分の弱さに気づきお互いに支え合いながら生きていく、そんなストーリーにしようと現在執筆中だ。





「柚、この後どっか行かね?」



コミュ力が高いだけあって、まだ数回しか話したことのない新山(にいやま)日向が、私の名前を当たり前のように呼びながら机の前に立ってきた。



「な、なんで私…?」


「たまにはあんまり話したことのないやつとも話してみたいなって思って。…なんていうのはただの口実で、実は俺前から柚のこと気になっててさ」


「…え!?」



告白まがいのことをしてきた新山日向は、なぜかその時悲しそうに笑っていた。