「ご、ごめんなさい。あの小説を書いてるのがこんな私で…」


「え、なんで!そんなことないよ!私Hara先生の小説大好きなの!全部読んでる!憧れのシチュが詰まってて胸キュンしたり、最後には感動できる先生の小説が初めて読んだ時からずっと大好きで、ずっと会ってみたいと思ってた!」



そんな風に言ってくれるのはすごく嬉しいしありがたいけど、だからこそこんな私があの物語たちを書いていたなんて知られたくなかった。


それに私なんかよりも、高城さんが書いてると言われた方が全然しっくりくる。



「それに萩原さんってかっこいいし、話してみたいって思ってたの!そんな萩原さんが私の大好きなHara先生だったなんてほんとに奇跡だよー!」


「え?か、かっこいい…?誰が?」



高城さんは誰かと私を間違えていないだろうか…?


私がかっこいいだなんて、そんなわけないのに。



「だから、萩原さんだよ!昨日さ、山崎が小坂くんに殴りかかろうとしたの、やっぱり誤解だったんでしょ?実は私、萩原さんと隣のクラスの男子の会話聞いてたんだよね。絡まれてる時に助けてあげられなくてごめんね。怖くて。何もできなかったし何も言えなかった私と違って、萩原さんは真正面から立ち向かっててすごくかっこいいなって、話してみたいなって思ったんだ」