「ご、ごめん。たいして仲良くもないのにそんな詮索されたくないよね。あ、私もう行くね。邪魔してごめん…」



朝、無視された時点で気づくべきだったんだ。


小坂くんはきっと、土足でずかずかと心の中に入り込まれるのが一番嫌いなタイプだ。



これ以上嫌われる前に、小坂くんから離れないと…。



「…あんたが」


「…へ?」



踵を返そうとすると、なぜか小坂くんに腕を掴まれた。



「…あんたが屋上のこと書いてたから、来てみたくなった。だから来たのは今日が初めて」


「…え」



…ちゃんと、小説読んでくれているんだ。