柚と日向の物語を思い出して屋上に来たはいいものの、そういえば屋上は元から立ち入り禁止場所だった。
ため息をつき踵を返そうとしたけど、やっぱりここで帰るのもなんだか癪で思い切ってテープの向こう側に行ってみる。
ほんの興味本位だった。
もしかしたら、という淡い期待を胸にそっとドアノブを捻ってみると、なんと扉が開いた。
誰かに見られていないかを十分確認して、ささっと屋上に出る。
「わぁー…」
何もないけど、その何もないのが逆によかった。
雲ひとつない青空が何にも邪魔されることなく一望でき、とても気持ちが良かった。
–––––「辛いこと悲しいことがあった時、空を見てればそんなものどっかに行ってしまう気がするんだ」
自分で綴った日向の気持ちが今、本当にわかった気がする。
ため息をつき踵を返そうとしたけど、やっぱりここで帰るのもなんだか癪で思い切ってテープの向こう側に行ってみる。
ほんの興味本位だった。
もしかしたら、という淡い期待を胸にそっとドアノブを捻ってみると、なんと扉が開いた。
誰かに見られていないかを十分確認して、ささっと屋上に出る。
「わぁー…」
何もないけど、その何もないのが逆によかった。
雲ひとつない青空が何にも邪魔されることなく一望でき、とても気持ちが良かった。
–––––「辛いこと悲しいことがあった時、空を見てればそんなものどっかに行ってしまう気がするんだ」
自分で綴った日向の気持ちが今、本当にわかった気がする。