泣きそうな、だけどどこか吹っ切れたようなそんな清々しい笑顔だった。



「401号室。そこが日向の病室。さっさと行けば?」


「…っ!ありがとう!」



階段に走ろうとすると、「あのさ」と花織さんが呼び止めてきた。



「あのさ、私…」





そこまで書いて机の上にスマホを置くと、ぐーっと凝り固まっていた体を伸ばす。



最近はあまり手が進んでいなかった小説活動が、なぜか今日はよく捗った。


柚と日向の物語もついに終盤を迎えている。



小説アプリを一度閉じてから、メッセージアプリを開く。